2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

朕聞

【 解説・17 】《後段・一》(1~10/10) ○朕〔われ〕、聞いてる所では、各家々が持っている帝紀や本辞は其の内容に於いて、真実と異なっていたり偽りも多く加わっているという。 今その誤りを改めておかなければ、何年も経たないうちに正しい旨が判らなくな…

分岐の一行

【 解説・16 】 於是天皇詔之 於是、天皇 詔〔ミコトノリ〕タマワク。 ○ここに、天皇は(国史編纂についての)御言葉を発せられた。 [於是]ココニ。[天皇]阿閇皇女(元明天皇/四三代)。[詔之]ミコト・ノリ・タマワク。御言・告り、賜わく。この詔は、…

天武即位〈2〉

【 解説・15 】《前段・五/ⅱ》(5~14/14) ○清原の大宮で即位する。道は軒后より勝り、徳は周王を越える。乾符を手にして(王位に就いて)天地四方の全てを治める。天統を得て(王位を継ぐ者となって)、地の果てに至るまで広く包む。 二つの気によって作…

天武即位〈1〉

【 解説・14 】《前段・五/ⅰ》(1 ~ 4 /14) ○浹辰(幾ほどの日)も経たぬうちに、敵(近江軍)は散り散りとなって反撃する者も居なくなり鎮まった。すなわち、牛を放ち馬を休ませ、心穏やかに帰還の途に着く。旗を巻いて矛を収め、祝いの宴で舞い謡いをし…

壬申の乱

【 解説・13 】《前段・四/ⅱ》(6~11/11) ○しかるに、天位の時は未だ至らず。南山(吉野の山)に隠遁(脱する)する。その後、人員が集まり軍備が整い、吉野から東方面の地を経由して行軍した。皇子らの乗り物は間もなく手配ができ、皇妃を乗せた輿は担が…

大海人蜂起

【 解説・12 】《前段・四/ⅰ》(1〜5/11) ○飛鳥の淸原の大宮に移り至る。大八嶋(クニ)を御(治)める眞人天皇の御世となる。王としての能力は既に備わっていたが、遂にその時がやってきた。夢の歌を開き、その内容を紡ぎ合わせ。夜の水(川)に至り、王…

三行棚字

【 解説・11 】《前段・三/ⅱ》(8、9、10/10行) ○この状況に対し、何もしないという訳にはいかない。(各家から集められた文書類を見ると)歴史上の同じ出来事を記した物も多くある。書によって、紙面をふんだんに使い事細かに著している物もあれば、概略…

聖帝

【 解説・10 】 《前段・三/ⅰ》(1~7/10行) ○儛〔マイ〕を列〔ツラ〕ね、賊〔ヱミシ〕を討ち払う。歌を聞いて仇(災い人)をねじ伏せる。卽ち、夢に教わり神祇(武人)に敬意を表わす。これにより、賢后(賢明な王)と言われる。〈崇神天皇〉 国見の際、炊煙…

神武東征

【 解説・9 】《前段二 /ⅵ》(14、15、16/16行) ○伊波禮毘古は(日向を出発し)秋津島の瀬戸内海に面した幾つかのクニを経て、東に向かった。 出川〔イヅカハ〕が熊(濁流)となり軍団は弱るが、天剣を高倉下によって獲得し生気を取り戻す。 生尾人(山中…