2022-01-01から1年間の記事一覧

「記紀」の書き出し

◇「書き始め文」 *《古事記》の「序」では、この世の始まりを次のような二行・十六文字(プラス棚字)で表し、これを冒頭句として据えます。(※【解説・3】冒頭句。2021-6-11、参照) 夫 混元既凝 氣象未效 無名無為 誰知其形 然 乾坤初分 參神作造化之首 …

「序」の構成

【 解説・26 】「二段説と三段説」 ◇「構成」二段・各五節 《古事記》の序は、二段(前段・後段)から成っており、それぞれ五つの文群に分けられた画面構成に仕立てられています。おそらく二気五行の考え方に則ったものでしょう。序を見ると、《記》とは国史…

「安萬侶」

【 解説・25 】[太朝臣安萬侶] ◇「オオ(オホ)」の名についての記録《神武記》伊波禮毘古(神武)の皇子・神八井耳命の子孫に意富臣の名が見える。《綏靖紀》即位前に「神八井耳命…是即多臣之始祖也」とある。《景行紀》十二年九月、多臣之祖之武諸木。《…

「書目」

【 解説・24 】 ◇「書目と署名」書目は記本文(上巻)に添えられているものです。目次として上巻、中巻、下巻に記載される御世の範囲を示します。 ○凡そ書き録〔シル〕すところは、天地開闢から初めて小治田の御世で訖〔オ〕わる。○ここに、天御中主神より以下…

付記・2

【 解説・23 】《後段・五/ⅱ》(6〜10/10) ○即ち、言葉の意味がよく分からない語は、注釈を入れて説明をしておく。語意が容易に理解できるものは、殊更に取り立てて説明はしない。 また、姓〔カバネ〕などにある「日下」をクサカといい、名前に使われる「…