古事記・序

「序」の構成

【 解説・26 】「二段説と三段説」 ◇「構成」二段・各五節 《古事記》の序は、二段(前段・後段)から成っており、それぞれ五つの文群に分けられた画面構成に仕立てられています。おそらく二気五行の考え方に則ったものでしょう。序を見ると、《記》とは国史…

「書目」

【 解説・24 】 ◇「書目と署名」書目は記本文(上巻)に添えられているものです。目次として上巻、中巻、下巻に記載される御世の範囲を示します。 ○凡そ書き録〔シル〕すところは、天地開闢から初めて小治田の御世で訖〔オ〕わる。○ここに、天御中主神より以下…

稗田阿禮

【 解説・18 】《後段・二》(1~6/6) ○ここに居ります舎人、稗田の姓〔カバネ〕の名(を負う)の者。年は二八、優秀な人である。一度見ればソラで唱〔トナ〕え、一度聞けば忘れることはない。そして勅〔ミコトノリ〕があり、語ノ臣〔カタリ・オミ〕の阿禮(者)に…

宇気比

【 解説・7 】《前段二/ⅳ》(9、10/16行) ○(天照)鏡を懸ける。劒を喫んで吹き付ける。そして、多くの皇子皇族によって王家が続く。○(須佐)珠を噛んで吹き付ける。ヲロチを退治する。以って、子孫が栄える。 [寔知]マコトニシル(棚字) ◯寔/まこと…

【 解説・5 】《前段二/ⅱ》(3、4/16行) ○所以に、幽(黄泉の国)と顯(この世)を出入(関わり)して帰還した後、全身の穢れを祓うため、海(塩水)と水(淡水)で浮沈(沐浴)した。 まず、海に入って身を滌〔すす〕いだ時、持ち物や衣服から、また潮流…

幷序

【 解説・1 】 古事記 上卷 幷序 古事記〔コジキ〕 上〔カミ〕つ卷〔マキ〕に 序〔ハシガキ〕を幷〔アハセ〕つ。 ○古事記。上巻に序文を併載する。 [古事記]コジキ。和銅五年(七一二)一月に献上された国史。三巻からなる。編者は太安萬侶。 ◇コジキとい…

古事記「序」の姿

《古事記》の「序」について。 便宜上、横書きにしていますが、頭の中で縦書きに変換してご覧ください。幾つもの個所で漢字の役割や扱いが定説とされるものとは違ってる、などをはじめ色々と面白い事実が多々見えてきます。 尚、この序は概ね日本古典文学大…